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吉野家 VS すき家


牛丼業界は景気悪化のあおりもあり、極端な価格競争の時代に入ってしまいました。話題は「吉野家 VS すき家」です。
先述の通り、吉野家は「品質」への強いこだわりがあります。これは大手と呼ばれるメーカー企業によくある事で、「よい商品を作れば、必ず売れる」という神話に基づいたものです。
「良い商品 = 良い原料・高い原料 = 必ず売れる」という独自の論調です。確かに価格も高く質が良い原料を使えば、最終商品はすばらしいものになるでしょう。しかし消費者の要求は異常なまでに身勝手な面もあり、牛丼の場合「美味しくで安心して食べられる」という条件は「当たり前」の条件なのです。
求めているのはプラスアルファーの付加価値なのです。今の経済情勢から推察すると、牛丼屋さんに対するニーズを的確に捉えて変化への対応ができたのがすき家だと言えます。

吉野家は品質に対してあまりにもこだわりすぎたため、牛丼の再開が遅れたばかりか、メニューのバラエティー化にも着手できない状態にあります。全国の店舗で一律の味や品質を保つためにはメニューの数が少ない方が効率が良いので、牛丼に焦点を充てた吉野家の考え方は間違ってません。
しかし・・そこまで消費者がファストフード店の牛丼の味にこだわりを持っているのでしょうか?
「確かに牛丼の味は吉野家が少し勝ってるけど・・・すき家の方が安いし、他のメニューも豊富だから、なんとなくすき家の方が楽しそう・・」という消費者ニーズをつかめなかったんだと思います。

吉野家の牛丼の品質は消費者に対してオーバースペックなんだと思います。家族を連れて入店するのも牛丼しか選択の余地が無いとなると・・・?

価格競争について・・
すき家は牛丼の価格を損益分岐点(赤字寸前)ギリギリまで下げても、牛丼以外に普通の価格で販売しているメニューがたくさんあります。すき家に来店する消費者は牛丼ばかりを食べているのではなく、すき家にとっての利益商品もたくさん売れるのです。牛丼で損しても、他でカバーできる戦略が大成功しています。
吉野家は牛丼しかありませんから、すき家のような価格を打ち出せません。その価格で販売したら利益が無いんですから。メディアはこうした事を報道しません。表に出てくるのは牛丼の価格だけです。すき家はこれを上手に利用していると思います。「すき家は安い!」というイメージ戦略です。実際に入店してみると「安い牛丼を食べにきたんだけど・・・あっ、これ美味しそうだから、今日はコレにしよう」なんて消費者を、牛丼の値下げPRでわんさか囲い込むのです。
結果的に入店客数は急増し、儲からない牛丼も良く売れるけど、利益商品も倍になった・・なんて計算です。

就職先として考える時・・・・

あなたならどちらを選びますか?
今は大手でも「ある特定の商品・サービス・取引先」に集中しすぎている企業はこうした事態に陥りやすいと思って下さい。昔、ビールと言えばキリンという時代が続きましたが、アサヒがスーパードライを発売した途端、形勢が一気に逆転した事があります。キリンは主力商品ラガービールの品質にこだわりすぎ、生ビールへの対応が遅れたのです(後にラガーも生ビールに転換しましたが・・)。
特定の取引先への納入が著しく高い場合も注意が必要です。その取引先との間に問題が生じた場合、一気に倒産へと突き進むことになります。

就活する際の企業の選定は、上辺だけの数値や人気で判断しないことが大切なのです。気になる企業があれば、その企業の商品やサービス、販売先はどこなのか・・・できるだけ詳しく調べていきましょう


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吉野家 VS すき家
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