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実力成果主義 反対論  2011.4.12


日本の場合は、大学を卒業と同時に大企業に就職し、そのまま定年まで安定的な収入を得る事(終身雇用)が理想だと考えられていて、一昔前の景気が良かった頃の「実力成果主義」や「ヘッドハンティングによる転職がカッコイイ」などのブームは去ってしまいました。
私も個人的には完全な実力成果主義には反対です。一見すると成果に見合う報酬や地位を獲得できることは良い事のように思えますが、実際はそう甘くありません。成果を定量化できる仕事をしている人(特に営業)はまだしも、管理部門(総務・人事・・・)は成果を定量化しにくいものです。また職性の違う人たちを、不公平なく平等に評価するのは困難を極めます。

予算を達成できたとかできないとか・・正直言って「運」もあります。前年に、たまたま大口受注があった翌年は、前年割れになるでしょう。またその逆に前年が不可抗力(天候不順など)で業績が著しく悪化していたならば、翌年は前年比的に絶好調になるでしょう。
それもこれも不公平なく評価するのは難しいのです。

またどうしても人を評価する場合、やってはいけないと分かっていても「好き嫌い」が影響してしまいます。人間は嫌いな人を仕事だからと言って良い評価付けできないものです。
よって人が評価する以上、実力成果主義をうたった給与体系ではどうしても不公平感が生じてしまうのです。

その点、基本は年功序列にしておいて、残りは役職や成果で上乗せしていくという従来の日本のシステムが万能だと思っています。当然ですが、このシステムでも年上の先輩の給与を後輩が上回る事も多々ありますが、それが普段の暮らしに大きな影響が出るような差では無いということです。

人は年を重ねるごとに、ある程度決まったお金が必要になります。子供の成長や自宅購入など人並みの暮らしを続けるためには、年齢ごとにある程度の給与が保証されていなければ安心して暮らしていけないものです。

私生活が安定しているからこそ、良い仕事ができるものです。

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