2012年就活戦線の見通し 2011.11.19
2011年11月18日に発表された2012年春の大学生の就職内定率は59.9%でした。
これは昨年同期比(10月1日現在)を2.3%上回る結果で、大手企業の2010年度の業績回復があったためと思われます。中堅から小規模の企業の採用活動はこれからが本番ですので、直近の未曾有の円高や欧州危機による景気減速懸念がくすぶっているため、先行きは不透明なままです。
東証一部上場企業1,200社の2010年度決算の経常利益は前年比で約50%増となっています。このような大手企業は前年の業績を元に現時点で来年度の採用計画を立案するため、2012年度の採用計画は増えることとなっています。
しかし大学進学率はもはや57%近くまで上昇していて、20年前の1.5倍の大学生が就職先を奪い合う就活戦線となってるのです(内定率が上がりにくい)。
また大手企業ならずとも、業容のグローバル化を強固に推進する企業も増えていて、日本人のみならず世界中から優秀な学生を集めたいという風潮も広がっていることも競争を激化させている要因です。
これから本格的に採用活動を行う中小企業はどうでしょうか?
リクルート社によると、中堅・中小企業の求人数は、従業員規模が300から999人の企業で11年度春より1.5%少なく、300人未満の企業では9.0%も少なくなっています。
11年春の内定率は91.0%でしたが、これを上回ることができるかどうかは依然として不透明なままです。
<東北被災3県の状況>
「震災枠」として東北にある大学からの採用を増やす動きが広がっています。
Business Media によると東日本大震災の発生以降、会社として東北募集枠を設けていますかと聞いたところ「現在、設けている」が5.5%、「設ける方向で検討中」が6.0%、「設けたい」が16.3%であることが、イーキャリアの調査で分かった。一方「現在設けていないし、設けるつもりはない」(72.3%)は7割を超えた。
採用活動が「積極的である」とした人で、東北募集枠を「現在、設けている」と回答したのは13.9%。また「設ける方向で検討中」は12.9%、「設けたい」は25.7%と、東北在住の人を積極的に採用する姿勢がうかがえたとのことです。
[ 被災3県の主な大学生の内定率 ]
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東北県内では地元企業から求人は減ったものの、「震災枠」として県外や関西などの遠方からの採用が増加しているとのこと。