トップページ < ここだけの話 < 就職内定率の不思議

就職内定率の不思議

文部科学省と厚生労働省が毎年4回発表する大学生の就職内定率ですが、よくよく考えてみると不思議な感じがします。
最終的には4月頃に2011年度卒業の就活生の内定率が発表されると思いますが、昨年を参考にしてみると、今年も90%近くの数値が出るんじゃないかと思います。

<2010年度>
10月発表:62.5%
12月発表:73.1%
2月発表:80.0%
4月発表:91.8%

しかし卒業者数54万人に対して、進学&就職も未定のまま卒業した学生は8.7万人であったので83.3%となるのが机上論です。それがどうして90%を超える数値になるのでしょうか?

<考えられる理由>
まず調査対象が62校しかない(東大、一橋、早慶、上智、東工大など就職に強いとされる大学中心に調査)。MARCHクラスは中大だけ。それ以外の大学の就職内定率は反映されていない。
調査は調査票を大学側に送付するだけで正確性などのチェックがない(大学側が安易な水増しを行うとは考えにくいですが、就職内定率は大学経営に大きな影響を持つ事は事実です)
留年する学生や、大学院に進学する学生を就職希望者からはずしたり、非正規雇用枠で採用された学生を内定者に取り込んだりする事もあるようです。
(参考:集英社 2011.11.29)


国内全ての大学から正しい数値を算出すると、実際は40〜50%程度になるという意見もあり、実情は報道される数値よりも厳しいというのが就活生の実感かもしれません。

企業側の採用枠と就活生の希望就職先のミスマッチが叫ばれていますが、業績が安定した大手企業に就職するために青春時代を犠牲にしてまで受験戦争で戦ってきた学生からしたら、なんて不運な年に生まれてきたんだ・・と感じることでしょう。
企業側からみたら”学生の質”が落ちていると言われていますが、企業側ももっと大学時代の成績を重視した採用活動をしたらどうでしょうか?
成績を一切無視した採用活動を続ける限り、表面的でマニュアルに特化した就活にならざるをえないし、それでは就活生の本当の内面を知ることもできないままだと思います。

はたして4月に発表される2011年度の数値はいかに!


管理人の一日
管理人の就活
学歴フィルター
同族会社は善か悪か
就職内定率の不思議
社内失業
大企業 VS 中小ベンチャー
面接で使ってはならない禁句とは




[PR]